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低解約返戻金の逓増定期保険を個人へ譲渡した時の税務上の取扱い

Question
生命保険の営業の方より、低解約返戻金の逓増定期保険の加入を勧められています。
この保険、定期保険として全額損金に計上でき、2-3年の間は解約返戻金が極端に低いものです。
営業の方の話では、解約返戻金が低い段階で個人へ譲渡を行い、数年後に解約を行えば、解約返戻金の受取額は個人へ移行します。
個人では、この所得を一時所得として取り扱うので、税率が低く、役員報酬を上げるよりメリットがあるとの事です。本当でしょうか?

Answer
保険契約を譲渡する場合、譲渡金額は解約返戻金をもって行うこととされており、保険営業の方のお申し出は、現行税制に沿った処理を前提としています。
ただし本件では、税制上問題ないと言い切ることは出来ません。本例のような取り組みをする会社は、同族会社(株主の3人以下で50%超の株式を保有する会社)であると思われますが、この同族会社の場合、「不当に税額が減少する場合には、その行為及び計算を否認することが出来る。」という内容の規定が存在します(法人税法132条、所得税法157条)。
本件では、役員個人の所得税の負担を不当に減額するために、給与ではなく、保険料という名目で支払った行為と考えられる可能性が存在します。法人税の調査では源泉税漏れの指摘を受ける可能性が存在することを念頭に置いてください。

投稿者: 税務相談 事例集 日時: 2006年10月30日 10:45