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個人から同族会社に不動産を売却する時の留意点

Question
個人から法人に不動産を譲渡する場合について質問します。
取得価額が5600万円で4年前取得し、去年の鑑定結果は4500万円でした。この物件を3000万円で購入する場合差額1500万円に対して税金がかかるそうですが、この分を現物出資という形にするのはおかしいですか?また、個人間同士ならば差額に対して税金はかからないのですか?よろしくお願いします。

Answer
1.時価が鑑定結果の4,500万円であると考える場合
(1)個人から法人へ3000万円で売却した場合
①売却した個人の取扱い
 個人は3000万円で譲渡したものと考えて譲渡申告を行います。
 ただし、取得価額が5600万円ですので、譲渡損となります。
 この場合の譲渡損は居住用である場合を除き、打ち切りとなります。
②購入した法人の取扱い
 理論的には低額で購入したことになりますので、受贈益として課税が行われる可能性が存在します。
 仕訳としては、「不動産××/受贈益××」です。
 ところが、購入だけの場合には、実務的には受贈益の認定を受けることは稀です。
 これは売却時に税金が取れるところに起因していると考えられます。

2.時価が4,500万円ではなく、3000万円と考えられないか?
 4,500万円と3000万円は金額の開きが大きいので現実的ではないかもしれませんが、
 実務的には、路線価評価額を公示地価で批准させた金額を鑑定評価に順ずる金額として時価として採用しています。
 時価がそもそも4,500万円であるのか?という点については検討が必要です。

3.3000万円を現金払い、1500万円を現物出資にした場合
(1)個人の取り扱い
 この場合、4,500万円で売却し、代金の一部を株式で取得したことになります。
 取得価額が5600万円であることを考えると、この金額でも課税は行われないのではと考えられます。
(2)法人の取り扱い
 4,500万円は時価なので、課税上の問題は発生しません。
 強いてあげれば1500万円が現物出資であるため、増資に伴う登録免許税7/1000(105,000円)がかかります。

投稿者: 税務相談 事例集 日時: 2007年01月29日 13:15