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古い欠損金と現在の利益の通算について

Question
先代の社長が今年死亡し、会社に生命保険金が入ります。その保険金は、遺族に退職金を払い、残りは借り入れの返済に回し、後継者がいないので、会社をたたむ予定です。借金を返済した後には全く保険金は残りません。この場合、税金が掛かるのでしょうか?また、税金が掛かる場合には、回避をする方法はあるのでしょうか?

Answer
生命保険金を借金の返済にまわす場合、通常であれば税金が掛かります。
ただ、質問の趣旨を勘案するに、以下のような状況であることが想定されます。
1.過去に欠損が生じており、債務超過であった。
2.上記1の欠損は古いものであり、欠損金の繰越控除の対象となるものでは無い。
3.生命保険金がおりることにより、債務超過を解消する。
4.生命保険金を受け取っても、退職金と借金を返済したら生命保険金は無くなる。

解決策として、以下の2つが考えられます。
1.会社の清算を行うこと
2.払えないものは払えないと開きなおること

1.会社の清算を行うこと
会社の清算手続きでは、清算に伴って株主へ出資額を超える分配金(清算配当金)が発生する場合には、清算所得が発生し納税が生じますが、それ以外は課税が行われません。
清算手続を開始することで、課税を回避することが可能です。
但し、会社の清算手続きは登記が必要ですので、登記手続及び税務申告に費用(両方を足して100万円では収まるものと考えます)が掛かります。

2.払えないものは払えないと開きなおること
税金は法人の借金であり、連帯債務ではありません。払えないものは払えないと開き直ることが可能です。
(参考)
国税徴収法では、第二次納税義務者という規定があり、連帯債務を負わせる対象者を規定しています。今回の事例ではこの適用を受けないものと考えています。

投稿者: 税務相談 事例集 日時: 2006年03月29日 18:28